日本一のりんご産地として知られる青森県。りんごの栽培に適した自然環境と、長い歴史の中で育まれた確かな技術により、海外でも人気を集める美味しいりんごを生産しています。そんな青森のりんごのシーズンといえば、冬をイメージしがちですが、実は夏の終わりから春先にかけてさまざまな品種が出荷されており、長く旬を楽しめる点も大きな魅力です。
今回は、青森県りんごの時期について紹介します。品種ごとの旬や出回り時期、長期出荷を可能にしている最新技術まで詳しく解説するので、ぜひ最後までチェックしてくださいね◎
青森りんごの品種と時期がひと目でわかる!年間収穫カレンダー
青森県では、夏の終わりから翌年の春先まで、さまざまな品種のりんごがリレー形式で旬を迎えます。一般的にりんごは、収穫時期によって次の3つに分類されます。
- 早生(わせ):8月下旬〜9月頃に収穫される品種
- 中生(なかて):10月頃に収穫される品種
- 晩生(おくて):10月下旬~11月以降に収穫される品種
このように収穫時期が異なるため、一つの品種が終わる頃には次の品種が旬を迎え、長期間にわたり美味しいりんごを楽しむことができるのです。収穫時期はその年の気候などによって前後することもありますが、青森りんごの主な品種の旬を以下の表にまとめました。
| 品種 | 旬の時期 | 果皮の色 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ふじ | 11月~翌3月頃 | 赤 | 甘み・酸味のバランスが抜群。蜜入りしやすい人気No.1品種 |
| つがる | 8月下旬~9月 | 赤 | 果汁たっぷりで爽やかな甘さ。早生品種の代表格 |
| ジョナゴールド | 10月中旬~11月 | 赤 | 甘酸っぱさが際立ち、生食・加工どちらにも人気 |
| 紅玉 | 9月下旬~10月 | 赤 | 強い酸味と香りが特徴。アップルパイにも最適 |
| シナノスイート | 10月中旬~11月 | 赤 | 酸味が少なく、子どもにも人気の甘口品種 |
| 秋映 | 10月上旬~中旬 | 濃赤 | 濃厚な甘酸っぱさとガリッとした歯ごたえ |
| 王林 | 11月~翌1月頃 | 黄緑 | 芳醇な香りとトロピカルな甘みが魅力 |
| トキ | 10月上旬~下旬 | 黄 | ジューシーで濃厚な甘さ。黄色りんごの人気品種 |
| ぐんま名月 | 11月上旬~下旬 | 黄(赤みが入ることも) | 蜂蜜のようなコクと蜜入りしやすさが特徴 |
| シナノゴールド | 10月下旬~12月 | 黄 | 甘みと酸味のバランスが良く日持ちも優秀 |
| きおう | 8月下旬~9月上旬 | 黄 | 初秋に楽しめる爽やかな甘さの早生品種 |
冬のイメージが強いりんごですが、実際には8月下旬頃から早生品種が登場し、11月には晩生品種へとバトンタッチしていきます。初秋には早生品種のみずみずしく爽やかな味わいを楽しめ、寒さがますに連れ中生品種や晩生品種の濃厚でコクのある甘さへと移り変わり、年明けから春先にかけては最新技術によって管理された貯蔵ものも出回ります。
季節によって違った美味しさを味わえるのは、一大産地である青森県のりんごならではの魅力といえるでしょう。
こちらの記事では、青森りんごの品種やそれぞれの特徴についてより詳しく紹介しています。気になる方は、ぜひ合わせてチェックしてくださいね!
収穫期を過ぎても美味しいりんごをお届け!青森が誇る高い貯蔵技術
主に秋から冬にかけて収穫されるりんごですが、春でもシャキシャキで美味しいりんごが販売されているのには、理由があります。
青森県では、多くの地域で高い貯蔵技術が導入されており、収穫したりんごをできるだけ採れたてに近い状態で保つことを可能にしています。そのため、一般的なりんごの時期を過ぎても、旬の美味しさをそのまま出荷することができるのです。
ここでは、青森県で導入されている2つの貯蔵技術の仕組みやメリットについて紹介します。
りんごを眠らせて鮮度を止める「CA貯蔵」の仕組み
CA貯蔵とは、「Controlled Atmosphere(制御された空気環境)」の略称です。りんごは収穫後も呼吸を続けていますが、呼吸を続けることで少しずつ糖分や水分を消費し、時間の経過とともに果肉が柔らかくなっていきます。
CA貯蔵では、温度、湿度、酸素濃度、二酸化炭素濃度を細かく管理することで、りんごの呼吸をできる限り抑え、りんごを冬眠に近い状態で眠らせるように貯蔵します。この技術によって、秋から冬に収穫されたりんごも、数ヶ月後までシャキッとした食感を維持しやすくなっています。
お家での日持ちも劇的に変わる「スマートフレッシュ技術」
もう1つ注目されているのが、「スマートフレッシュ」と呼ばれる鮮度保持技術です。りんごは成熟すると、「エチレン」という植物ホルモンを放出します。このエチレンには果実の成熟を促進する働きがあり、時間が経つほど果肉が柔らかくなってしまいます。
スマートフレッシュ処理では、このエチレンの働きを一時的に抑えることで、収穫時に近いシャキッとした食感を長く保ちやすくしています。
先ほど紹介したCA貯蔵との組み合わせにより、以下のようなメリットがあります。
- シャキシャキ食感が長持ちする
- 果汁が保たれやすい
- 家庭でも美味しい状態が続きやすい
購入後もポリ袋などに入れて冷蔵庫で保存すれば、さらに鮮度を維持しやすくなります。出荷までに限らず、購入後も美味しさを長持ちさせやすい点は、消費者にとって非常に嬉しいメリットですね◎
青森のりんごリレーの中で際立つ「弘前エリア」の強み
青森県には多くのりんご産地がありますが、その中でも「りんごの聖地」として知られているのが弘前エリアです。全国トップクラスの生産量だけでなく、高品質なりんごを安定して生み出している背景には、自然環境と長年培われた栽培技術があります。
ここでは、青森県内でも特に主要産地といわれている弘前エリアのりんご栽培について紹介します。
岩木山麓の厳しい寒暖差が、時期ごとの「完璧な色づきと糖度」を生む
弘前エリアは、津軽平野の西側にそびえる岩木山の麓に広がっています。秋になると、昼間は太陽の光をたっぷり浴び、夜は岩木山から冷たい空気が流れ込むため、昼夜の寒暖差が大きくなります。
この寒暖差によって糖分をしっかりと蓄え、色づきが良く、シャキッとしたりんごに仕上がります。同じ品種でも、こうした自然条件によって味わいや色づきに違いが生まれることがあり、弘前産りんごが人気を集める理由の1つとなっています。
早生ふじ(弘前ふじ・夢ひかり)を誕生させた、圧倒的な技術力
弘前エリアは、栽培技術の高さでも全国トップクラスといわれています。特に、新品種やオリジナルブランドの開発が盛んで、ふじの枝変わりとして発見された「弘前ふじ」発祥の地でもあります。
弘前ふじは、青森県弘前市で発見された早生ふじで、本来11月頃に収穫されるふじより約1か月早い、9月下旬〜10月頃に収穫できます。さらに、JAつがる弘前では、弘前ふじの中でも糖度や色づき、外観など厳しい基準をクリアしたものだけを「夢ひかり」というブランド名で出荷しています。
選別には光センサー選果機を活用し、1玉ずつ内部品質や糖度を確認することで、品質のばらつきを抑えた安定の高品質を目指しています。
まとめ
今回は、青森りんごの時期について紹介しました。青森県では、8月下旬頃から早生品種、10月には中生品種、11月以降は晩生品種へと主役が移り変わり、1年を通してさまざまなりんごを楽しめます。
青森県では、最新の貯蔵技術を導入しており、収穫から数ヶ月経ったりんごも、採れたてに近い状態で出荷しています。そのため、特に貯蔵性に優れたふじなどの品種は、春頃まで市場に出回り、旬の美味しさを長く楽しむことができます。
数々のブランドりんごや新品種の開発にも力を入れている青森県。日本が誇る一大産地のりんごを、旬の時期にぜひ味わってみてください◎